-佐世保市世知原町の山中-
ここに築齢110年を越える農家の跡があり、その古民家の再生を通じてさまざまな取り組みが始まろうとしています。お話を伺ったのは佐世保市内のCRAFT BOX(クラフトボックス)というお会社で、手づくり看板や木製家具の製作・デザインなどのお仕事をされている岩下直人さんです。
岩下さんは日本自然保護協会の自然観察指導員でもあり“人と自然の関わり”を大切に考えられていて、仕事以外でも様々な活動をされています。
子どもたちを対象に「させぼ野遊び塾」を展開し“自然と向き合い、ふれあい、自然のなかで遊びながら生きる力を養い、育つ”という理念を伝えられています。
そんな岩下さんがめぐり合わせで行き着いた、一軒の空家となった古い農家跡。かつては別の方がご自身の活動拠点として活用されていましたが、この度、岩下さんがこの古民家を任せられることとなったそうです。
建てられてゆうに100年を越えるお家ですので、至るところにガタがきているのは当然です。しかしそのお家には昔ながらの、日本人がしっかりと考えて作られた立派な知恵や文化がたくさん詰まっています。
岩下さんはこの古民家の再生を通じ、現在の若い人たちを中心に、日本の知恵や文化に直接ふれてもらい、さまざまな「学び」をしてもいらいたいと考えています。
今では使われなくなった古い家の間取りや設備にもきちんと役割りがあり、工夫がなされていることに気づいてもらいたいそうです。
そしてそれらの体験から“これは何のためにあるのか”、“自分たちがしっかりと生活を営むために何が必要なのか、どうすればいいのか”、ひいては“自分はなんのために時間をすごし、どうなりたいのか”などを考えることができれば何よりだということです。つまり古民家再生を通じ、ひとりの人間として生きるための力や考え方を育てるとういうねらいです。
現在の若い人たちに失われつつある“将来の目標ややりたいこと・なりたい自分”を見つけ出すという“生きかた再生”みたいだなあと感じました。
もちろん基本は“楽しみながら体験して学ぶ”ということですので、現在この「古民家再生学びプロジェクト」に関わっている約10名の人たちは、皆が和気あいあいと楽しい汗を流しながら、便利さと快適さがあふれてそれが当たり前となった現在では、見えなくなった大切なものをたくさん見られているようです。
このプロジェクトは「CabeCholo(カベチョロ=やもりの意味)」と名付けられ、古民家再生をスタートに、この地で今後色々な楽しい学びイベントを行っていく予定です。興味のある方はぜひご参加お待ちしております!
単純な古民家再生と違うこのプロジェクト、今後が楽しみです。本紙にて随時ご紹介していきたいと思いますのでお楽しみに!がんばれ!カベチョロ!!
お問い合わせ:辛島商店0120-31-4853 辛島まで

古民家の外観。ところどころ手が入れられていますが基本構造は頑丈で元気です。

泥壁用の泥。外壁の泥を剥がし、地元でとってきた赤土と混ぜて発酵中。これを壁に塗り直します。

お台所。薪(まき)をくべてかまどでご飯を炊く体験も楽しめます。

幻の五右衛門風呂(ごえもんぶろ)、初めて見ました!少しこわいけど入ってみたい(笑)!